赤い月 終

そこからの理事長室はお祭り騒ぎだった。

概ね、秋時の独壇場だったワケだが。

いやー、良かった。
これで万事丸く収まったな。

ありがとう、うさちゃん。
よくぞ決心してくれた。

うんと大事にするからね。

なんて、うさぎの手を取ってクルクル回る。

いやー、良かった。
ほんと良かった。

オメェがオニになったら、俺が狩ンなきゃなんねぇのかと思うと、まじでキツかった。

薫にゃ頼めねぇだろ?
まだガキだしな。

俺、心底ホっとしたわー。

なんて、景時の頭を髪がクシャクシャになるほど撫でる。

まずは指輪だ、指輪。
早く買えよ。

やっぱうさちゃんには、ドレスより白無垢かな。
どんなんがイインだ?

なんて、パソコンに向かって検索を始める。

初めは、
「時期尚早じゃ」
などと焦っていたうさぎだが、はしゃぐ秋時を見て、最後はただ困った顔で笑っていた。

景時は‥‥‥

< 132 / 279 >

この作品をシェア

pagetop