赤い月 終

でも…

月を追っかけるって、どーゆーコト?


「ココに日が昇れば、ドコカに月が昇る。
そのドコカに、月を追いかけて飛ぶんだ。
眠りに着く前、紅玉はずっとそうして生きていた。」




あー…

海を越える散歩になるワケだ。

聞かなきゃ良かったカモ。

いや、聞いたワケじゃねーケド。
心の疑問を読まれたダケだケド。

なんだろう、胸が痛む。

心臓を、ぞうきん絞りされてるみたいだ。


「で?
聞きたいコトって、なんだ?」


Tシャツの胸元を握りしめて顔を顰める景時に、同情の眼差しを送った黒曜が、さりげなく話題を変えた。

そーゆートコロ、やっぱ大人だ。

悔しいくらい。

でも、優しい気遣いは今はいらない。

知らなきゃなんないコトは、決めなきゃなんないコトは、俺にとって、きっと、もっと、ベビーなコト。

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