赤い月 終
でも…
月を追っかけるって、どーゆーコト?
「ココに日が昇れば、ドコカに月が昇る。
そのドコカに、月を追いかけて飛ぶんだ。
眠りに着く前、紅玉はずっとそうして生きていた。」
…
あー…
海を越える散歩になるワケだ。
聞かなきゃ良かったカモ。
いや、聞いたワケじゃねーケド。
心の疑問を読まれたダケだケド。
なんだろう、胸が痛む。
心臓を、ぞうきん絞りされてるみたいだ。
「で?
聞きたいコトって、なんだ?」
Tシャツの胸元を握りしめて顔を顰める景時に、同情の眼差しを送った黒曜が、さりげなく話題を変えた。
そーゆートコロ、やっぱ大人だ。
悔しいくらい。
でも、優しい気遣いは今はいらない。
知らなきゃなんないコトは、決めなきゃなんないコトは、俺にとって、きっと、もっと、ベビーなコト。