赤い月 終
最後はやっぱコレでショ。
恋人たちの聖地、観覧車でショ。
「美しいな。」
黄昏色に染まる街を見下ろして、うさぎが呟く。
ゴンドラの中にも夕陽が差し込み、黒い髪が、白い肌が、黄金色の輪郭を纏っている。
「うさちゃんのほうが、もっと美しいよ。」
景色なんか端っから放置した景時が、うっとりとうさぎに見惚れながら言った。
うさぎは目を見開いた後、面映ゆそうに景時から視線を逸らす。
「そなたは…
さっきから、そのような事ばかり…」
「可愛いって言っても、叱られなかったし。
思ったコトをガッツリ口に出してンの。」
恥ずかしそうに俯くうさぎも、ほんとに可愛い。
でも、顔を見せてくれないのはヤだな。
ほんの少ーし自重しろ、俺。