赤い月 終
「海より深く反省しろ。
責任を取るのはおまえだ。」
「ハイ…」
黒曜の厳しい声に、景時がコクコク頷く。
「大事にしろよ?
泣かせたら、殺す。」
「ハイ…」
コクコク… ん?
「ハイ?」
「おい紅玉… いや、うさぎ。」
マヌケ面を上げた景時を無視して、黒曜はうさぎに声をかけた。
なんだか意味アリげな一言が混入しているが、ぼんやりしたままのうさぎは気づかない。
「…なんじゃ?」
「ソイツ、ちゃんと躾ろよ。
…またな。」
「ああ…」
躾って…
ペットか。
ソイツって…
俺か?
もう振り返ることなく窓辺に向かう逞しい後ろ姿を、景時は見つめた。
これ以上、何もやる気はないって…
責任取れって…
大事にしろって…
ソレって… ソレって‥‥‥