赤い月 終

うさぎが小さな拳で、景時の剥き出しの胸を打った。


「景時なんだな?」


「へ? うん…
あぅっ」


もう一発、入りマース。


「妾の許しもなく、勝手に死のうとするわ…」


「え?
でも、うさぎも勝手に加護に
グハっ」


次は、腹に。


「勝手に闇に飲まれるわ…」


「ぅー…
ソレはほんと、ゴメンナサイ…
ギャっ」


とうとう頭にゲンコツが落とされる。


「で、景時に戻っただと?」


「ハイ…」


さー来い。
次はドコだ?

俺がうさちゃんにやっちまったコトに比べりゃ、こんなん屁でもねェよ。
ガッツリ殴れよ。

むしろ、踏め。

振り上げられたうさぎの拳が震えた。


「この阿呆が…
妾が… どんな気で…」

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