赤い月 終
「あれ?
オメェ、ソレなんだ?」
薫が景時の額から伸びるソレに気づいたのは、ノックアウトされた後、しばらく経ってからだった。
泣いてもイイデスカ。
まぁねー。
しょーがないカナ、とは思った。
秋時の車で、なんとか人目につかず部屋に戻って、鏡で確認したワケだが。
なんかこう…
あんまり変わってない。
髪は赤くなったようだが、元々赤く染めていたので目立った変化ナシ。
瞳も茶褐色から黄褐色に変わったようだが、ん?薄くなった?程度。
牙は口を閉じてりゃわかんねーし、爪もまぁ伸びたケド、うさぎほどじゃない。
だから、一目でわかる変化といえば、コレしかないのだ。
額に生えた角。
うさぎとお揃いの赤色で、ちょっと嬉しかったりする。