赤い月 終

落ち着いた、女性にしては低めの心地好い声が聞こえる。


「案ずるな、いつでも会える。
そなたらは、妾の友なのだから。」


いつでも会える、だって。
友、だって。

一年前は『相容れぬ』とか言ってたのに、ね。


「…
鬼神サン、なんか変わった?」


「変わったっつーか…
戻ったンだと思う。」


怪訝そうな大吾に、景時が答えた。

その赤い頭にゴツい手が乗せられ、いきなり押さえつけられる。


「変わったのは、景時だよなー?」


「やめて、薫ちゃ…
そりゃ鬼にはなったケド、内容は変わってな」


「いや、高杉は変わった。」


えー… 大吾まで…

ドコが?と、しつこく聞いてみたが、

「バカ杉バカ時になった」
「キモ杉キモ時になった」

なんて楽しそうに笑うだけで、二人は教えてくれなかった。

イジメか、コノヤロー。

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