赤い月 終
ガシャ─────ン!!
「キャァァァァァ?!」
突然鳴り響いた音と、散ったガラスの破片に驚き、床に座りこんでいた深雪は悲鳴を上げた。
慌てて窓を振り返り…
「キャァァァァァ??!!」
ハイ、二度ビックリ。
建物への配慮など全く感じられない乱入者に向けて、深雪は二度目の悲鳴を上げた。
一人は、燃えるような赤い瞳。
陶器のような白い肌。
着崩した赤い着物。
一人は、夜に紛れる黒い瞳。
浅黒い肌。
こちらは、黒ベースの今時ファッションだ。
お揃いの、長いプラチナブロンド。
お揃いの、息を飲むほどの美貌。
お揃いの、額から伸びる二本の‥‥‥
角デスカ。
ソーデスカ。
コスプレにしちゃ、出来すぎだよ。
明らかにヒトじゃねーよ。