赤い月 終

『好き』なのは、確実なんだよね。

『無論』って言ってたし。

でも、その『好き』はどんな『好き』?

ソコが知りたいトコロ。

たぶん、大丈夫だと思うワケ。

ここ最近のうさぎの言動から考えて、イケると思うワケ。

なんたって、俺の胸で泣いてくれたワケだし?

フツーなら、確定的。

だが、相手はうさぎだ。
不安材料もある。

ソレは、彼女の尋常じゃない優しさ。

『放っとけなかったから☆』
なんて理由も、充分あり得る。

あぁ…
聞くのが怖い…

でも聞きたい…

鬼になったって、ヘタレのままだよ、俺。

いや、ちょっとは強くなってンだろ。

鋼の心臓には程遠いケド、毛ぐらいは生えただろ。

そうだ、おまえは強い。

おまえなら、やれる。

イケる、イケる、イケる…

根拠もナニもない自己暗示に後押しされて、景時は決意に満ちた顔を上げた。

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