赤い月 終

だってうさちゃん、ツンって横向いてるケド、唇がたまに震えてるし。

肩もたまに震えてるし…

笑ってンだろ。

男の純情、弄びやがってェェ!!


「うさちゃんの、鬼───!!」


景時は本気で泣いた。


「鬼だが?」


あ。
そーだった。

涙が浮かぶ琥珀を上げると、悪戯そうに煌めくルビーに出会う。


「そなたも、な。」


うさぎが笑った。

少女のようにあどけなく。


「…/////」


あーあ。
また死んだわ、俺。

心臓、キュってなったわ。

この人にゃ敵わねーよ。

感情の全てをコントロールされてる。

泣くも笑うも、彼女次第。

命も握られてンだろな。

生きるも死ぬも、彼女次第。

もう笑うしかねーよ。

てなワケで、景時も笑った。

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