赤い月 終
「…あ…ははははは…
なんなの?
バケモノばっかだよ。
もうヤダぁ…ははははは…」
深雪は涙の跡が残る顔を歪めて、壊れたように泣き笑いした。
今日の出来事は、深雪にとって完全にキャパオーバーだった。
お気に入りのビンテージ・ミラーはバケモノで。
そのバケモノは深雪の身体を乗っ取ろうとしていて。
鏡の破片が襲いかかってきて。
景時が中二チックな技でソレを倒して。
終わったと思った途端、景時が鏡のバケモノに吸い込まれて。
そして… そして…
その上今度は、角を生やした超美形カップル‥‥‥
もう、笑うしかないヨネー?
「あはは… あはは…」
涙を流しながら笑い続ける深雪の手を、黒曜の腕から解放されたうさぎが取った。
細かい切り傷が幾筋も走るその手は、血に塗れている。