赤い月 終
景時は目を開け、崩れゆく天井を見上げながら首を捻った。
俺と、鏡と、後、ダレ?
父さんの話は、聞こえてなかったンだよね?
私と、アンタと…
アンタのカノジョも道連れよ
うふふ、と繰り返す鏡の言葉を理解するまで十数秒。
景時は弾かれたように上半身を起こした。
「おい! どーゆーコトだ?!」
アンタが最後に見たカノジョ
は、まだ生きてたの?
「…当たり前じゃん。」
うふふ
じゃあアンタ、カノジョを見
捨てて来たのね
…
見捨てた?
なんでそーなンの?
真っ白になった頭に反響する含み笑いが次第に大きくなり、やがて…
うふ… あはは…
キャハハハハハ!!
私が死んでも、あの呪いは解
けないわ!!
狂ったような高笑いが、景時の脳どころか鏡の世界を震わせた。