赤い月 終

顔を胸に押しつけられて相手は見えないが、馴染みのある甘い香り。

馴染みのある強い抱擁。


「景時… 放せ。」


うさぎは身を捩って景時の腕の中から顔を出し、なんとか視界をクリアにした。


「うさちゃんうさちゃんうさちゃんうさちゃんうさちゃん…」


ソレ、なんて壊れかけのRadio?


「景時、状況を良く見ろ。
そんな事をしておる場合では」


「生きてた…
良かった…
会いたかった…
ごめんね、うさちゃん。
ごめんね、うさちゃん。
呪は? もうイイの? 痛かった? 苦しかった? ごめんね? 俺のせいで… 見捨てたワケじゃねーンだよ? 俺は… でも、俺が… 俺が悪かったから…
ごめんね、うさちゃん。
ごめんね、うさちゃん…」


随分マシにはなったが、やっぱり壊れかけのRadio?

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