赤い月 終

「今、貴様の命は強制的に繋がれておる。
一刻の間、死ぬ事も出来ず、浄められる事もなく、地獄の業火に焼かれるが良い。」


 ギャァァァァァァァァァ!!

 イヤァァァァァァァァァ!!

 なんなの?!
 アンタ、誰なの?!


踊り狂う漆黒の焔。

のたうち回るようにガタガタ震える世界。

逃れられない苦痛に悲鳴を上げ続ける鏡を、冷めきった赤い瞳で見下ろす美しい死の使い。


「相手が悪かったな。
妾は鬼神。
毘沙門天の眷族じゃ。」


侮蔑しきった眼差しと冷酷非情な笑みを残して、裂け目は閉じる。

欲をかいた身の程知らずの叫びは、もう誰にも届かない‥‥‥

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