赤い月 終

弾かれることがわかっていたかのようにクルリと躰を反転させて着地を決めた景時を、黒曜は険しく睨みつけた。

腕を解放されたうさぎを背に庇うように立つその姿を目にして、禍々しい鬼気が一気に溢れ出す。


「貴様…
なんのつもりだ?」


(なんのつもりって…)


心臓を握り潰すような重圧に曝されながらも、景時は困った顔で髪を掻き上げた。


「あー…
スンマセン。
話の流れ的に、俺が原因だってのはわかってるっつーか…」


「…」


「なのにその俺がこーゆーのって、空気読めてねぇのもわかってるっつーか…」


「…」


「でもやっぱ、やっちゃダメなコトはやっちゃダメっつーか…」


「何が言いたい??!!」


あらら…

余計怒らせちゃったカンジ?

でも‥‥‥

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