赤い月 終

意を決した景時が、怒れる鬼神に向かって吼える。


「どんな事情があるにせよ、うさちゃんを手荒に扱うコトは、この俺が許しマセン!!!」


「「…は?」」


前後から聞こえる呟き。
そして落ちた沈黙。

あー…
やっぱ、やっちゃったよ。

空気の読めないイタいコになっちゃったよ。

でもうさちゃんの腕、赤くなってるし…

そうだ!
俺は間違ってねぇ!
イタいコ上等だ!!

一人で納得してウンウン頷く景時のTシャツの襟が、後ろから強く引っ張られた。


「この阿呆が!
そなたが黒曜に敵う訳なかろう!」


「ぐぇぇ…
敵うワケない相手でも、男にゃ退いちゃいけない時があるンデスぅぅ…」


「愚かな…
退くのじゃ、景時!」


「いーやーだー
てか、うさちゃんこそ手ェ放して…
絞まる、絞まるぅぅぐぐ…」

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