赤い月 終

鬼気に耐えながら。
首を絞められながら?

それでも両足を踏ん張り続ける景時をジっと見つめていた黒曜が、深い溜め息を吐いた。

急速に弱まる圧迫感。

後は首だけ───!!

うさちゃ…死ぬ死ぬ、言う事を聞け、ソレはムリ、ならば死ね、嘘ぉん?…


「知っていたのか?
最初から?」


騒がしい二人を、黒曜の苦渋に満ちた声が黙らせた。

景時の襟から手を離したうさぎが、光を散らす髪を揺らしながら顔を伏せる。


「知っておった。
最初から。」


「…
繰り返すつもりか?」


(ナニを?)


深呼吸して肺に新鮮な酸素を取り入れながら、景時は首を捻った。

また置いてかれてマスYO!

いや、大体のトコロは掴めている。

この後自分がどうなるのかも、察することはできる。

でも『繰り返す』って、ナンデスカ?

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