赤い月 終

だが秋時と薫は顔を見合わせ、また溜め息を吐いて項垂れた。

そのヘっタクソな笑顔は、やめたほうがイイと思う。

余計カワイソーになるから。


「でも、あの様子じゃ…」


「そしたら、そのなんとかって術は…」


「あ。
ソレなんだケド。」


二人がボソボソと交わす会話の中の『術』という言葉に、景時は即座に反応した。


「俺、ソレもうイイや。
『闇蝕』ってのは、やンない。」


ヘラっと笑った景時を、口を開けて凝視した秋時と薫は…


「はぁ?!「オメェ、ナニ言「オニになっちま「もうあの術しか「「バカか??!!」」


同時に叫びだした。

理解できたのは、声が揃った最後の一言だけデスケドネ?

ハイ、バカで上等だよ。

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