『鬼』
・・・と、淑やかに振舞っている私ですが、
とうとう、この家を去る日が来てしまったのだと思うと、
改めて覚悟と決意を固める所存です。
私は、鬼の当主である万鬼目斑(まきめまだら)を葬ります。
この命に代えて。
小さい頃から、ずっと決めていました。
どうせ、【生贄】なのです。
悲しむ父や母をもう見たくない、弟たちにも幸せになってほしい。
怯えて暮らさなくても良い世界を。
もしかしたら、今まで逝った巫女たちもその覚悟で嫁ぎ、
そして誰も帰ってこなかったのかも知れません。
私は出来れば帰ってきたいけれど、そんな簡単にはいかないと思うので、
先にこれだけは言わせて下さい。
「今まで本当にありがとう、この家に生まれて幸せでした。」
とうとう、この家を去る日が来てしまったのだと思うと、
改めて覚悟と決意を固める所存です。
私は、鬼の当主である万鬼目斑(まきめまだら)を葬ります。
この命に代えて。
小さい頃から、ずっと決めていました。
どうせ、【生贄】なのです。
悲しむ父や母をもう見たくない、弟たちにも幸せになってほしい。
怯えて暮らさなくても良い世界を。
もしかしたら、今まで逝った巫女たちもその覚悟で嫁ぎ、
そして誰も帰ってこなかったのかも知れません。
私は出来れば帰ってきたいけれど、そんな簡単にはいかないと思うので、
先にこれだけは言わせて下さい。
「今まで本当にありがとう、この家に生まれて幸せでした。」