『鬼』
万鬼目家(まきめけ)と言えば鬼族の中で四鬼名家(しきめいか)を束ねる名門。最強と謳われています。

 そんな鬼が相手では、私のような小さいただの小娘が敵うわけがない。

ただ食べられる為だけに行くようなものですよね。

でも、だからって今から怯えている姿を家族には見られたくないので、
誰よりもしっかりした面持ちで行くつもりです。

 それに、私にはやるべきことがあります。機会を伺わないと。

 蘭家(あららぎけ)を含める四代名家(よんだいめいか)と、
万鬼目家(まきめけ)含める四鬼名家(しきめいか)、
四百年近い因縁があるものの、
それぞれの鬼の当主の姿を私は見たことがありませんでした。

本当に存在しているのかも信じていなかったので、
不思議と恐怖心はなかったのですが、本当だとしたら、四方八方敵だらけです。

油断は禁物ですね。未だ知れぬ万鬼目斑(まきめまだら)という当主に貢がれ、
どうなるのかもわからないけれど、ひるんではいられません、
私の覚悟は揺るぎないのですから。



 
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