甘くも苦い恋
好きで仕方ない
蒼介さんと会わなくなって、一週間。
あたしはなんとかして彼を忘れようと、必死になっていた。
「璃來ー!あのさ、今夜って暇?」
あたしが勤めているのは、小さなデザイン会社。
小さいとは言っても、契約している相手には意外に大手もいたりして、最近ではかなりの力を付けてきている。
「ん、今夜?」
「うん、久しぶりに合コンするんだ!」
今、あたしに声を掛けてきたのは、同期の藤咲さくらだ。
さくらは凄くいい子で、話も合うし、あたしは彼女のことをとても気に入ってる。
「璃來、まだ彼氏いなかったよね?」
「う、うん。いないけど……」
「ならちょうどいいや!来るよね!?」
さくらは身を乗りだし、あたしのデスクに寄り掛かる。
「でも、さくら……」
あたし、蒼介さんのこと……。
「――おーい!みんな、集まってくれ!」
返答に困っていると、課長の声が課内に響く。
「あ、さくら!課長が集合かけてるよ!」
「ちぇーっ!まぁいいや。後で教えてね!」
さくらは不服そうに言うと、課長の元へ歩き出した。
あたしもそれを追って課長のデスクに歩く。
あれ?課長の隣に誰かいる。
う、そ……
あれって、もしかして……!!