甘くも苦い恋
「そ、蒼介さんはっ…あたしの上司です……」
「璃來!それはっ……」
「蒼介さんには……女の人がいるんですか?」
ぎゅうっと自分の手を握り締める。
「何を言ってるんだ……俺には彼女はいないって、言っただろ?」
「信じられませんっ…!」
あたしは思わず声を上げてしまった。
蒼介さんは面食らった、って感じの顔をしている。
「そ、蒼介さんは…優しくて、かっこよくて…仕事もできて……あたしみたいな、一般庶民に気があるなんて、信じられないんですっ…!」
「………」
蒼介さんは何も言わず、ただあたしを見つめていた。
「蒼介さんはっ…あたしには勿体なすぎると、思います……」
好きなのに。
こんなにもあなたのことが好きなのに…!