甘くも苦い恋
「頑張れよ。お前は俺の自慢の後輩だからな」
加藤さんはニッと笑い、あたしの頭をくしゃくしゃに撫でた。
「はいっ!頑張ります♪」
加藤さんといると落ち着くな。
あたしにとっては、お兄ちゃんみたいな存在だからかな。
加藤さんはあたしが入社したばかりの時も、ずっと面倒見てくれたりして。
時には厳しく、時には優しく指導してくれた。
それは今でも変わらない。
彼はあたしの尊敬できる先輩だ。
「あのさ、美山。今夜って……」
「加藤。ちょっといいかな?」
声の方を見ると、蒼介さんの姿。
加藤さん、あたしに用でもあったのかな。
「はい。……美山、後でちょっと話いい?」
「あっ、はい!」
加藤さんは足早に蒼介さんのデスクに向かった。
話ってなんだろう……。