甘くも苦い恋

「お、お邪魔します…」




渋々と彼の車に乗るあたし。




とにかく…聞かなきゃ。




「あ、あのっ……」




「何?」




蒼介さんはエンジンをかけながら答える。




「蒼介さんって…本当に彼女いないんですか?」




あたしがそう聞くと、蒼介さんは溜め息を吐いた。




「当たり前だろ。彼女がいたら君に告白しないし、車に乗せたりもしないよ」




真面目な顔でそう言う彼に、言葉が出なくなる。




あたしが、悪かったのかな…。




変に疑ったりしたのが……。




「あぁ、ちなみにこの前電話してたのは、俺の妹ね?」




「はっ…?い、妹さんっ…!?」




そ、そうだったんだ…。




あたし、勝手に勘違いして……!



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