甘くも苦い恋
「これから俺の部屋に行くけど……」
「……っ…!」
彼の言葉にビクッと体が強張る。
覚悟はしていたはずなのに。
「……ごめん。俺、本当に余裕ないんだ。君が俺以外の男とどうにかなるなんて考えてたら……頭がおかしくなりそうだ」
「蒼介さん…」
蒼介さんも、苦しいんだ。
「頼むから自分には俺はもったいないなんて、言わないでくれ。俺には君しか……」
蒼介さんは切なげにそう呟き、あたしの体を強く抱き締めた。
あたし、もう…我慢できないよ……。
好き。
蒼介さんのことが……好き。
「蒼介さん、あたしも…」
あなたが好きです。
あたしは小さく言った。
蒼介さんは優しく微笑んでくれて、あたしのこめかみにキスをする。
優しく、思い暖めるようなキスに胸がきゅんとなる。
「続きは……俺の部屋でいい?」
「……はい」
続き。
意味はきちんと分かってる。
初めては…蒼介さんにあげたい……。