甘くも苦い恋
「璃來ちゃん。連絡先聞いてもいい?」
バーを出る前、iPhoneを手にしながら、あたしにそう聞いてきた彼。
「あ、はいっ!さ、佐田さんのも……」
さっき彼に年を聞いたら、28だと言っていた。
さん付けは当たり前だよね。
「ふふ、さんはいらないよ。蒼介でいい。璃來ちゃん可愛いなぁ。もしかして男に免疫ない?」
蒼介さんはクスクス笑いながら、あたしの頬に優しく触れた。
あわわ~~!!
そ、蒼介さんの美しい手があたしの顔にーっ!!
「そ、蒼介さん……」
「うーん……やっぱりさん付いちゃうか。まぁいいけど。」
蒼介さんは困ったように笑い、あたしのスマホに赤外線でケー番とメアドを送ってくれた。
「あ、ありがとうございますっ…」
「璃來ちゃんのも教えて。」
あたしは赤外線で彼のiPhoneに同じくケー番とメアドを送る。