甘くも苦い恋
「ありがと。また連絡してもいいかな?」
「はいっ!いつでもどうぞっ!」
あたしは彼のデータが入ったスマホを握り締め、そう答えた。
すると、蒼介さんはいきなりあたしの手を握った。
「……っ…」
大きな手。
あたしはピクッと体を揺らしてしまった。
「あ、あの……蒼介、さん…?」
「璃來ちゃん、帰りって電車?」
いきなりそう聞いてきた彼に、あたしは戸惑ってしまう。
「えっと、電車……です」
「そっか。なら送ってくよ」
えっ!?
送ってくって……!
「い、いいですよ!悪いですし……」
「いいのいいの。こんな時間に女の子を一人で帰せないよ」
そ、そんな……。
女の子だなんて……。
「ほら、おいで」
「あ、蒼介さんっ……」
蒼介さんはあたしの腰に手を回し、駐車場まで連れていった。