私と5人の王子様。



「藍でしょう?」





殴ってやりたい思いにかられて




それを抑えるように拳を握り締める






「藍は
 自分勝手なんかじゃない」






「どうして!?」






東原が興奮気味に声を上げる





「藍の心は自由なんだよ




 好きな人は無理強いして
 手に入れるものじゃない
 と思うけど?」






小柄な僕より小さな東原を

冷たく睨み付けながら言った







「あたしは
 無理強いしてでも手に入れる」





東原は挑むような目をして
僕を一瞥したあと、

足早に去っていった




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