私と5人の王子様。

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--side 草太




___俺たちは一歩出遅れている。



数日前の夜、奏太とそんな会話をした。



昔と、そして何時もと変わりない俺たちだけど


それでも一つ、昔と違うところがある。




藍を取り合ってもいい。





これだけだけど、俺たちにとっては大きい。

藍がどれだけの事を勘付いているかはわからない。

ただの思春期だと思っているかもしれない。



けど、俺も、奏太も、

龍矢も、遥翔も、千隼も。


絶対に誰も譲らない。





俺たちが一歩出遅れているのは、

藍への告白だった。




藍は、俺と奏太の気持ちを知らない。



俺は性格が悪いから。
何ていうか…
あいつらはどさくさに紛れて
展開的に藍へ想いを自覚させたけど、
俺はより効果的に自覚させたいと思った。


不利を有利に変えるというわけ。

好かれているという自覚が…好きという錯覚を生み出す可能性を利用する。



「隣の部屋の、俺のが有利。」


奏太はそう言った。



そんなの

階段上がって、
藍の部屋に入って、鍵閉めちゃえば



俺の勝ちじゃん?




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