私と5人の王子様。




現実のあたしは
5つの空席を見つめて
動けずにいた





「藍、途中まで
 一緒に帰ろっ?♪」





紗月に肩をたたかれ






「うん・・・!」



考えるより先に口が動いていた



咄嗟に出た返事だったけど




もしかしたら


紗月と笑って




”5人がいなくなるかも”



その言い知れぬ不安を


忘れようとしていたのかもしれない





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