私と5人の王子様。



「あ・・・・」



そこには
あたしが一番会いたかった人たちがいて



あたしの漏らした声に気づいたのか

うつむき加減で歩いていた
5人が顔をあげる


そして


全員の足が止まった



駆け寄りたかった


でも
足が動かない



それは



あたしを見る5人の目が
いつもと違ったから



ほんの数メートル先にいるのに



5人が遠く感じる



どうして皆が



冷たい目であたしを見ているのか



どうして急に
あたしを置いてきぼりにしたのか




聞きたかったけど





5人はあたしの横を通りすぎ





気がついた時には

柔らかい風と夕日だけが
あたしを包み込んでいた


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