君とカフェラテを
あーん、と催促する様は、餌を待つ雛鳥のような純粋さ。なのにさっきから抗えずにいるのは、彼が纏う強引なほどの甘やかな誘惑。

「おねーさん、そこの角のお店の人? 好きなコーヒーは?」

「そう。カフェラテかな」

「じゃあ、明日の今頃、ここにカフェラテ2つ、届けてくれる?」

ラッピングからマカロンを一つ摘んで私の口元に運ぶ彼。その指先が、必要もなしに私の唇をなぞる。

きっと、ただの気紛れ。分かっているのに、明日のこの時間、私はこのベンチで彼をきっと待ってる。
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