戸田くんの取り扱い説明書



「おじゃましまーす」


「どーぞ」



岡田さん、初☆戸田くん宅です!



「部屋奥だから先入ってて」


「はーい!」


戸田くんはキッチンに入って行った。




戸田くんの部屋、どんなんだろう?


どきどき、わくわく。




「失礼しまーす…」


そーっとドアを開けると。




「…はい?」




………え゛?



そこには、分厚い本を開いて上目遣いで私を見上げる、そりゃもうめちゃくちゃ可愛い女の子。




…あぁぁぁぁぁあ!?!?


って誰誰誰この子!!? え!?

愛人?! 隠し子?! なに!?



「あっ! もしかして…」
「あああなたは?!」


「あ、私は…」
「おい、なんで叶子がいんだよ」



戸田くん!


「あー、参考書借りようと思って入ったらなかなか面白いの見つけちゃって」


「あ? んなのさっさと終わらせろ」


「やー、だってついつい」


「いーから出てけ、邪魔だ、目障り、さっさとうせろ」


うわあ、ひどい言いよう。



こんなに言われても、その子はすっと立ち上がると、戸田くんにあっかんべーして出て行った。



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