戸田くんの取り扱い説明書
素通りして行こうとしたら、あ、と声が聞こえた。
ん? なんかあった?
なんとなーく振り返ってみる。
「……っ!? ぅぐっげほっ」
「…みの、り…」
なぜだ。
戸田くんが、なぜこんなところでティッシュ配りなんかしてるんだ!
戸田くんが私に視線を送り、私も戸田くんを唖然として見る。
……いや、それにしても…
キャップを被って、指定の制服を着ている戸田くんも、悔しいくらいかっこいい。
なんで戸田くんはなんでも似合っちゃうんだぁぁぁぁぁあっ!!
……チクリ。
うわあぁぁぁぁっ、女子高生の方々の視線が痛い痛いッ!
はんにゃみたいに怖いですよ…っ!
そんな視線に気づいてくれた戸田くんは、にこりと王子スマイルで笑い
「ありがとうございました」
と言うと、女子高生の皆さんを帰らせた。
あー、戸田くんナイス!!