戸田くんの取り扱い説明書
必死の抵抗を見せるものの、ヤンキースとなったら太刀打ちできない。
私は虚しく、バイクの後部座席に乗せられた。
バイク独特のガソリンのにおいとうるさすぎるエンジン音。
頑張って降りる隙を狙うが、そんなことはさせないとばかりに、さっさと猛スピードでバイクを走らせた。
景色が風のように流れて行く。
いやいやいやいやっっ、戸田くん!!
助けてーーーーーーーーッッ!!!
必死になって願うが、叶わない。
1対1で話されたらなかなか話が終わらないと有名なあの池田先生に、戸田くんは捕まったのだから。
絶対来るわけない…。
正義のヒーローじゃあるまいし…。
てか家帰ったと思ってるに決まってる。
じゃあ私は一体どうしたらいいの!?
そうこうしているうちにバイクは止まり、私は乱暴にバイクから降ろされた。
「来い」
「ゔぅ、はい…」
私、どうなっちゃうんだよ!!!