戸田くんの取り扱い説明書
連れてこられたのは、学園ドラマとかで登場するような倉庫。
別名、ヤンキースのたまり場。
うわぁうわぁ、ここは夢の中ですか?
まさか本当にこんな倉庫があるなんて…!
ちょっとかんど…
「もたくさしてねえでさっさと歩け!」
ヤンキーくんのひとりが私の手首をぐっと掴んで、倉庫の中に乱暴に入れる。
「ああああああのっ、私…」
「お前、戸田楓の女らしいな」
「えっ…」
なっ、なんで!?
なんでこの人たちが戸田くんを知ってるの…!?
「俺ら、戸田楓に恨みがあんだよ。今日は仕返しだ。戸田楓の女を使えば、絶対来ると思ってな」
ボスヤンキーくんがニヤリと笑う。
恨み? 戸田くんに?
「まーお前は、せいぜい戸田楓が血流して倒れる無様な姿をじっくりと見るがいい」
ヤンキースが、くっくっ、と不気味に笑う。
「俺らのほうが圧倒的に強いことを思い知ら…」
ボスヤンキーくんが話していると、外から凄まじい音が響いてきた。
「来たな…」
ボスヤンキーくんが言ったところで、倉庫の扉が、ガッターーーーンと激しく砂埃をたてながら倒れた。
逆光で誰なのかわからなかったけど、すぐに誰かわかった。
「……と、戸田くん…!!!」