戸田くんの取り扱い説明書
その2
無口、無表情。必要最低限の事しか喋りません。
「おはようございます、戸田くん」
「うん」
うんってなんだ、うんって。
朝の玄関。
偶然会った戸田くんに、あいさつをしてみる。
しかし、返ってきたのはこんなだ。
「おはよう」くらい言ってくれたっていいじゃないか、戸田くん。
せめて、目くらい合わせてほしい。
戸田くんは相変わらず、微笑むどころか目も合わせず、視線は腕時計だ。
戸田くん、岡田さん泣きますよ。