戸田くんの取り扱い説明書
戸田くんは黙ったまま私の手を引いて行き、自分の斜め前の私の席まで連れて行く。
そして私を座らせると、やっと手を離した。
そのまま自分の席に戻ってくれればいいのだけど、私の手を握っていたその手で、私の頭を軽くぽんぽんってした。
〜〜〜〜〜っ!
ダメだ、ダメだ恥ずかしすぎる。
痛いくらいに周りの視線が集中しているというのに、戸田くんはやっぱりやっぱりやっぱり無表情のまま。
颯爽と戻って行く戸田くんに、私の心臓は壊れそうだ。
ピーーーッ! それは反則、戸田くん。
岡田実里の心臓破壊寸前にさせた罪で逮捕です!
私はそのまま机に顔を落下させた。