ドールハウス・ツインズ
「やります!だから!叶えて!」
いつしか、口でそう言っていた
「貪欲な娘…」
「強欲な娘…」
ボソボソと何かを二人が言った気がした
私がもう少し中に行こうとすると
ふわっ…

奥から女の子が出てきた。
すごく可愛い…
「こんにちわ針縫と申します」
「かわいい…」
それは口にも出ていて
針縫は笑った
「ありがとう…私が貴女の願いを
叶えます…宜しく!」
「ええ…宜しく…」
(何だろう…ちょっと怖い…)
その表情は作り笑い?本笑い?
私をみて品定めするような笑顔
「最初に注意事項ね
願いの破棄はできないわ」
交換によくある事だと
私は自分に言い聞かせた
「うん!」
「お代は絶対払って頂戴」
これも覚悟は出来てるし!
私はいい返事をした
「うん」
「お代は貴女の願いが
叶ったあとでいいわ」
「わかった!」
安心できそうだと
その時は思ったそして私は店を出た
「ふふ…うまくやってよね」
「わかってるわ…でも人の心が
簡単に移るわけない」
「それなら簡単にあれにしちゃえ
一石二鳥だよ、姉様」
薄気味悪く二人はニヤリと口角を上げた
< 9 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop