アポロチョコ
好きだと思ったら、猪突猛進。
即行告白して玉砕していた中学の頃。
それが今までのあたし。
――そういや、山之辺にも振られたっけなぁ~
要するに、あたしは愛を育んだ経験がない。
所謂、恋愛初心者なのだと気がついた。
山上に告白して、その場で振られる自分を想像したら、何故か胸が軋むように痛んだ。
――まさかの秘め恋? このあたしが?!
そもそも、恋愛って、どうやってするの?
告白して、付き合って、抱き合って、キスして?
そんな単純なものなのだろうか?
山上に対するあたしの今の気持ちは、そういうのとはちょっと違うと思う。
奴の走る姿を見て、声を聞いて、気配を感じて。
傍にいるだけで、なんというか胸が一杯になるみたいな。
――わぁ~、それってめちゃ乙女っぽい、似合わねぇ~
あたしはベットに蹲りながら頭を掻き毟った。