アポロチョコ


「はぁ~」


大きな溜息とともに再び机に突っ伏した。

昨晩は色々考えてたら良く眠れなかったのだ。


「悪かったな、もう一度、ちゃんと礼が言いたかっただけなんだ」


そんな言葉があたしの頭の上から降ってきた。

あたしは顔上げずに手の平を小さく挙げてそれに答えた。


――うぅ……、止めてくれ、泣きたくなる……


なんか女々しい自分に、今更ながら嫌になる。

自分も女だったのか、なんて妙に納得したりして。


不貞腐れたあたしはそのまま、一時限目の現国を寝て過ごした。
< 16 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop