アポロチョコ

昼休み、美術室で霧子と山之辺と昼食を食べながら、あたしは質問攻めにあっていた。

「で、ほんとのところなんで山梨くんだりまで応援に行ったわけ?」

朝の会話に聞き耳をたてていた霧子は、男共のようには納得してはくれなかった。

「山上の走ってる姿が見たくてさ」

あたしは出来るだけ自分の気持ちを素直に答えた。

「ふぅん、なんで?」

「や、いつも放課後見てたからさ、関東大会出るって聞いて、応援したいなって」

「だから、なんで?」

「そんなのあたしにだってわかんないよ!

でも、気になるし、行きたかったんだ!」


しつこく詰め寄る霧子にイライラして、つい声が大きくなった。
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