アポロチョコ

全くもって、この二人は目の毒だ。

ところ構わずいちゃつくし。

あたしはその様子から目を背けるように呟いた。

「告白する気はないよ」

「えっ?」

霧子が驚いたようにあたしを見た。

「だって、咲ってばいつも思ってることは言わなきゃ気が済まないって……」

確かに、今までのあたしだったら即行告白していたかもしれない。

でも、この気持ちは今までとは違う。


「見てるだけでいいんだ……」


そう小さく呟いたあたしのあたしからぬ台詞に、二人は顔を見合わせて驚いていた。
< 19 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop