アポロチョコ

と、納得した途端、あたしの舌は滑らかに動き出した。

「あたし二年だよ。もうすぐ二月だし。こんな時期から部活始めるって、それ本気?」

「俺は……、夏の大会が終わるまで引退はしない。

まだたっぷり半年はある。

俺から走るのとったら、なんも残んねぇし」

山之辺の言った通りだ。

山上は走ることが飯より好きな陸上馬鹿なのだ。

自分で公言するとはまた潔い。

だからって、他人も同じに考えているなんて思ってる訳はない筈だ。

やっぱり、こいつの考えてることは良くわからない。


あたしも、実は身体を動かすのは好きだ。

毎朝三十分の犬の散歩は欠かさないし。

中学の時はバスケ部だった。

でもさぁ~、集団行動って奴が苦手でね。

スポーツを介しても女子は女子。

色々面倒なことが多くて。

だから、高校入ってからは専ら帰宅部で。

確かに身体は鈍っていた。


それと同時に潔さも。
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