アポロチョコ
一人残されたあたしは着替えを済ませ、更衣室に鍵をかけた。
西原も女子の割にはさっぱりした性格みたいだし、これなら続けられそうだとホッとする。
鍵を返し、教務室を出るとそこに山上がいた。
「最後か?」
「え、うん、まぁ」
「送る」
「へ?」
「いちいち驚くな」
「だって……」
「俺が送ると言ったら送る。問答無用」
「何俺様気取ってんだよ、あたしは一人で帰れるって……」
××××
「ゴタゴタぬかすな、ほら行くぞ」
――って、今、何された?
あたしは左手で自分の唇をなぞった。