アポロチョコ
「まぁ、そんなことはどうでもいいけど、家のご飯がお嬢さんのお口に合うかしらねぇ」
「母さん、今日は何?」
「親子丼。洒落っ気もなんも無いわよ」
お嬢さんと呼ばれる玉じゃないけど、ここまで来たからには気持ち良くご飯を頂きたい。
「あ、あたし親子丼大好きですっ!
何かお手伝いしましょうか?
って言っても、料理はからきしなんで。ご飯よそうとか、洗い物とか、雑用ならなんでも」
咄嗟に、お手伝いを願い出た。
「そうね、じゃ、遠慮なくお願いしちゃおうかしら。
そこのテーブルの上片付けて、そこのドンブリにご飯をよそって貰えるかしら」
「はいっ!」
なんか妙な展開になっちゃったけど、この場を白けさせる訳にもいかなくて、あたしは靴を脱ぎ急ぎ持ち場についた。