アポロチョコ

「お、お前こそ!」

あたしは出鼻を挫かれ、拍子抜けだ。

「あら、わたしは部長だもの当然よ。いろいろやる事あるのよ」

そう言いながら、西原は一人黙々と柔軟をやっている。

「お前身体柔らかいのな」

その柔軟な肢体に思わず見入ってしまう。

「高飛びはバランスが命ですもの。身体が硬くちゃ話にならないのよ」

成る程な、と感心しながらその横で、あたしもジャージに着替えた。

お陰で平常心に戻れそうだ。

と思ったその矢先。


「それにしても、熱心よね、山上君」

「えっ?」


山上、という言葉に異常に反応してしまうあたし。
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