アポロチョコ
「とりあえず、受付でタイムテーブルを確認しよう」
あたしは大会受付に真っ直ぐ向った。
「すいません、城北高校二年山上雄太の3000Mは何時からで何処で観戦できますか?」
単刀直入に尋ねた。
「あら、応援?」
受付の女性がにこやかに顔をあげた。
「遠くから熱心ね、もしかして彼女さんかな?」
「い、いえ、ただのクラスメートです!」
あたしの必死に否定する声に笑いながら、彼女はエントリーシートとタイムテーブルを照らし合わせ、あいつの名前を探してくれた。
「そう……、あ、丁度この後一時から決勝よ。
良かったわね、山上くんは予選通過で出場よ。
ゴールはメインスタンド側だから」
「ありがとうございます!」
「いい記録が出るといいわね」
「はいっ!」
あたしは、にこやかに返事を返すと、彼女に深々と頭を下げた。
陸上のりの字もわからないあたしには、どれくらいがいい記録なのかはさっぱりだけど。
とにかく応援に行かなくちゃ!
彼女の案内にしたがってメインスタンドを目指した。