スウィートマジックタイムは終わらないっ!?【完結】
「ボクの小夜さんに触れないでください。」
どうやら、彩人くんが止めてくれたようです。
「なっ…!?」
「触れないでくださいね…?」
笑っているのに、目は笑っていない。
もしかしなくても、怒っていらっしゃる。
「ごめんなさ~い!!!」
そんな彩人くんに圧倒されたのか、あんなに威圧感を放っていた女の子は尻尾を巻いて逃げていった。
それから無事に体育祭は進み、残すは、私の出る『借り物競走』だけとなった。
なんで、“競争”じゃなくて“競走”なのかというと、走る距離が長いからである。
大体、どの“競争”も200Mだが、この“競走”は400Mで倍。
だから、“競走”らしい。
そういえば、彩人くんはどちらの競技も堂々の一位だった。
運動能力は長けているよう。
走っている姿がすっごくかっこよかった。
吸い込まれそうになって、そしてすっごくドキドキした。
『彩人くんほどかっこいいひとはこの世にはいないと思う!』なんて思いながら、競技を見ていた。
自分で言うのもなんだけど、私は彩人くんにベタ惚れだと思う。
私もどちらも一位!
運動に関しては自信があるからね!
「パーンッ」
色々思い返していると、競技が始まった。