“またね。”

「ねぇ、なつみもやろー」

美香が菜摘にまとわりつく。

差し出された袋。

散らばっているのは、お酒の空き缶と

違う缶もある。

「ねぇ―」

「─うるさい!!」

無意識に叫び、美香を突き飛ばす。

気付くと、美香が壁に倒れこんでいた。

突き飛ばしたのに

へらへらと笑いながら。



「…菜摘、なんでいんの?」

大ちゃんが驚きを隠せない表情を見せる。

菜摘がくること聞いてなかったの?

だから─



「また吸ったの…?」



大ちゃんの手元にも、お酒ではない缶が転がっていた。


< 101 / 407 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop