“またね。”
「ねぇ、なつみもやろー」
美香が菜摘にまとわりつく。
差し出された袋。
散らばっているのは、お酒の空き缶と
違う缶もある。
「ねぇ―」
「─うるさい!!」
無意識に叫び、美香を突き飛ばす。
気付くと、美香が壁に倒れこんでいた。
突き飛ばしたのに
へらへらと笑いながら。
「…菜摘、なんでいんの?」
大ちゃんが驚きを隠せない表情を見せる。
菜摘がくること聞いてなかったの?
だから─
「また吸ったの…?」
大ちゃんの手元にも、お酒ではない缶が転がっていた。